例えば、三大紙の1つである毎日新聞は、日本最古の日刊紙といわれることがあるんです。

各新聞ごとの媒体特性は?

読売新聞

朝刊の新聞発行部数1,000万部以上は世界最多。(朝刊は1部130円)
発行元の読売新聞グループは民放初のテレビ局である日本テレビや、日本のプロ野球の中で最も人気の高い読売ジャイアンツ、さらにスポーツ報知の運営を行っている巨大企業である。
かつては販売の際に読者に対して他紙に比べ最も豪華な景品を渡し、販売拡張を行っていたと言われている。また読売ジャイアンツファンが多数購読しているという点などから、ライバルの朝日新聞に比べて庶民的なイメージ。
紙面についても朝日新聞が政府に対してやや批判的な論調を用いる傾向があり、庶民からインテリ層にも通じるような紙面づくりを目指しているのに対して、読売新聞は政府寄りのスタンスに立つことが多いとみられ、より大衆的な紙面づくりを目指しているようである。
新聞本紙広告については、朝日新聞の購読者より平均年収が劣っているというイメージがあり、そのブランド力は朝日新聞にゆずる。
しかし新聞折込チラシ広告に関しては上記のような庶民的で大衆的なイメージがあるということや、全国的に圧倒的な販売部数を誇ることなどから、朝日新聞以上のブランド力を誇り、現状あらゆる業種の新聞折込チラシ広告に関して、読売新聞は欠かすことのできない媒体として用いられている。読売新聞一紙のみで配布を行うケースも数多い。
首都圏の一都三県(東京・神奈川・千葉・埼玉)全ての地区で、読売新聞の部数が1位である。

朝日新聞

朝日新聞社が編集発行する新聞。朝刊の新聞発行部数は約800万部(朝刊は1部150円)。戦前より新聞業界の中心的な存在であり、最も権威的な新聞のイメージ。新聞発行部数は読売新聞の後塵を拝しているものの、その言論の社会的な影響力は読売新聞を上回る。
発行元の朝日新聞社は、新聞以外にも様々な書籍や雑誌を長年刊行しており、テレビ局のテレビ朝日を運営しその系列局を全国に展開している。
憲法9条の改定に否定的な立場を取るなど、左派・リベラル的なイメージの強い新聞であり、政府に対しては批判的な論調を取るケースが多い。読者層については、読売新聞同様首都圏で多く、大卒・院卒および上層ホワイトカラーの割合、読者の平均世帯年収、一部上場企業の課長・部長クラスへの到達率等の要素について、全国紙の中で日本経済新聞読者に次ぐ水準であるという調査結果が存在する。
そういった知的・所得水準が比較的高い読者が多いというイメージから、高額商品の多い新聞本紙広告のブランド力は、部数で遅れをとる読売新聞に比べても強い。
新聞折込チラシ広告に関する媒体としても、新聞発行部数の多さや消費能力の高い読者を持つというイメージから、読売新聞同様、あらゆる業種のチラシに関しての媒体として用いられている。

毎日新聞

日本最古の日刊紙と呼ばれる歴史のある新聞である。朝刊の新聞発行部数は360万部(朝刊は1部130円)。新聞発行部数としては大きく遅れをとる朝日・読売とあわせて三大紙とよばれている。
かつては朝日新聞と拮抗するほどの部数を誇ったが、60年代から70年代にかけて拡販競争と経営危機で遅れをとり、読売新聞の台頭や経営危機の影響で停滞することとなった。
新聞の論調としては朝日新聞と近い部分があるが、中道・リベラルのイメージが強い。他紙に比べ安定したイメージがあり、読者層は比較的高齢者が多く、所得の水準も平均以上の人達が多い。
近年は部数的に、日本経済新聞に追い上げられており首都圏の発行部数はすでに大きな差をつけられている。特に都心においては、産経新聞や東京新聞ともそれほど差のない部数になっている。
新聞折込チラシ広告においては、安定した所得を得ている購読者が多いというイメージから、朝日・読売に次ぐ第3の新聞として用いられることが多い。
大阪や福岡の一部地域では、朝日・読売を凌ぐ部数を持ち、首都圏のおいては埼玉北部で強い。

産経新聞

産業経済新聞社が発行している新聞。朝刊の新聞発行部数は163万部(朝刊は1部100円)。フジテレビやニッポン放送を要する、日本最大のメディア・コングロマリットのフジサンケイグループの一角を担っている。
論調としては日本の全国紙としては、唯一といってもいいほど右派の傾向を持ち、憲法9条の改正や、集団的自衛権の行使といった主張を持っている。そういった新聞の特色から、他紙に比べて熱心で長期間にわたり購読を継続している読者が多いという傾向がある。
読者層としては、朝刊が1部100円で他紙より安価であるということや、フジサンケイグループの一員であるということから、庶民的なイメージ。
新聞折込チラシ広告については、都内において毎日新聞に迫るような部数を持ちながらも、新聞折込チラシ広告の設定に用いられないことが多く、媒体としての信用は高いとは言えない。
ただし産経新聞に折込をした場合に反響が低いといったデータがあるわけではないので、設定にあたってはエリアとの兼ね合いを考慮しながら、慎重に判断していく必要があると思われる。

東京新聞

中日新聞東京本社が発行する新聞。東京新聞自体の朝刊の新聞発行部数は約60万部(朝刊は1部100円)。中日新聞社発行各紙全体の朝刊の新聞発行部数は350万部にものぼる。
新聞の特色としては、文化・芸能に強く、他の全国紙に比べて首都圏の情報が豊富に掲載されている。
読者層としては産経同様朝刊1部100円で、統合版については2550円でこれは三大紙と産経新聞・エリアが重なる関東各県の地元紙神奈川新聞・千葉日報・埼玉新聞・上毛新聞・下野新聞・茨城新聞よりも安い。こういったことから庶民的で親しみやすい新聞というイメージ。
新聞折込チラシ広告については、産経新聞以上に用いられることが少ないが、産経新聞と同様に考慮していく必要があるだろう。

日本経済新聞

日本経済新聞社が発行する新聞で経済紙でありながらも、全国紙の一つに数えられる。朝刊の新聞発行部数は303万部(朝刊1部160円)。経済紙であるため、一般紙に比べて株価欄を始めとして、経済や産業関係記事の比重が高い。他に政治面・社会面も充実しているが、スポーツ関係は弱く、芸能関連はほとんどなく、4コマ漫画、読者の投稿欄などもない。
自社系列の販売店が少ない為、読売新聞店や朝日新聞店・毎日新聞店に委託をしている地域が多い。契約に際しては、販売店が独自の判断において契約者に物品(日用品など)を提供することを認める新聞社が多いが日経ではこのようなことを行なわない。
定価は、1部売り(朝刊160円・夕刊70円(2010年1月より))・月ぎめ(朝夕刊セットの場合4383円)ともに他の全国紙やブロック紙より高く設定されている。
事業所及び企業で購読されている比率が、他紙に比べて圧倒的に高い。
購読世帯の平均世帯年収は他の全国紙よりも高く、企業幹部との親和性も強いという。また、大卒・院卒の割合も主要全国紙の中でもっとも高い。
上記のような理由から、新聞本紙広告の価値もかなり高いと見られている。
新聞折込チラシ広告の媒体としてみてみると、例えば朝日新聞と日経新聞というように、2紙を併読する読者も多いことや、新聞の特質により、業種によっては日経新聞のみ選定から外されるケースもあるが、逆に日経新聞のみで選定されるケースもある。朝日・読売以外では、1紙のみの設定がなされるケースは日経のみ見受けられる。高額商品や企業向けのチラシなどでは強みを発揮するケースが多い。ただし上記の通り、事業所及び企業への配布率が高いため、設定にあたっては注意が必要になってくるだろう。